M&A・第三者承継

【2026年最新】介護事業の事業承継|売却相場5,000万〜2億円・介護事業者指定・処遇改善加算引継

PR 本ページはプロモーションが含まれています

【30秒で確認】介護事業の事業承継 業界特性早見表

介護事業はM&A市場で最も活発な業種の一つ。介護報酬・指定の引継ぎなど特殊論点が多い業界です。

項目内容
売却相場5,000万〜2億円(事業所単位)/数億〜十数億円(複数事業所)
主な買い手介護グループ大手(SOMPO・ベネッセ・ニチイ等)・PEファンド・上場介護
必要な許認可介護事業者指定(株式譲渡なら継続/事業譲渡は再申請)
事業価値の中核介護報酬・処遇改善加算・利用者数・介護スタッフ確保
所要期間6ヶ月〜1年(許認可手続き含む)
主なリスク介護報酬改定で収益悪化・スタッフ離職・行政処分歴・利用者契約引継

📌 介護事業M&A最大の落とし穴:「過去の介護報酬不正請求」が発覚すると、買収後に行政処分→指定取消で事業価値消失。DDで過去5年分の請求記録を必ず精査します。

👉 関連記事:医療機関の事業承継DD失敗事例

「デイサービスを20年運営してきたが、後継者がいない」

「指定事業所の指定はM&Aで引き継げるのか不安」

「介護報酬の改定が続く中、独立経営が厳しくなってきた」

介護業界は事業承継・M&A市場が急成長中の業界です。経営者の高齢化と介護報酬の改定圧力により、独立経営から大手グループ傘下への移行が活発化しています。「指定事業所の指定」「介護職員の確保」「ケアマネ・利用者との関係維持」といった介護業界特有の論点を理解した承継が必要です。

適切に進めれば、介護事業所のM&Aで数千万〜数十億円の対価を得て引退できます。一方、廃業を選ぶと利用者・職員に大きな影響が出ます。

この記事では、介護事業所の事業承継について以下のことが分かります。

「事業所と利用者を残したい」「指定の引き継ぎが不安」と考える介護事業所オーナーの方は、最後までお読みください。

介護事業所の事業承継が他業種と違う5つの特徴

1. 指定事業所の指定が事業継続の根幹

介護事業を営むには「指定事業所の指定」が必須です。指定の主体は都道府県・市区町村で、サービス種別ごとに人員基準・設備基準・運営基準が定められています。承継時にこの指定を引き継げないと、事業継続が困難になります。

2. 介護報酬という公的価格に依存

介護事業の収入の大半は介護報酬(公定価格)。3年に1度の改定で大きく経営状況が変動します。承継時の評価では、最新の介護報酬改定の影響を反映する必要があります。

3. 介護職員不足という構造的課題

介護業界は慢性的な人材不足です。介護福祉士・初任者研修修了者の確保が困難で、承継時に職員の離職が起きると事業継続性が一気に低下します。職員の処遇改善・引き継ぎが最重要論点です。

4. 利用者・家族との長期的関係性

介護は「人と人との信頼関係」で成り立っています。利用者・家族・ケアマネジャーとの長年の関係性が、事業継続のカギ。社長交代で利用者離れが起きると、稼働率が大幅に下がるリスクがあります。

5. 大手グループによるM&A・統合の波

介護業界では大手グループによるM&A・統合が活発化。SOMPOホールディングス・ベネッセ・ニチイ学館などが買い手として動いています。中小事業所の売却機会は豊富にある一方、競争環境は厳しくなっています。

介護事業所オーナーが選べる4つの選択肢

選択肢1: 親族内承継(子・配偶者)

息子・娘などに事業を引き継ぐ方法。後継者が介護福祉士・社会福祉士・経営知識を持っている場合に成功率が高い。ただし介護業界の3K(きつい・汚い・危険)を理由に親族が避けるケースも多い。

選択肢2: 従業員承継(MBO)

長年勤務した管理者・サービス提供責任者などに事業を譲渡する方法。介護業界では成功率が高い承継パターン。資格・現場経験・利用者関係を持つ従業員への承継は、事業継続性の観点から理想的です。

選択肢3: 第三者へのM&A・売却

大手介護グループや異業種参入企業に事業を売却する方法。介護業界はM&A市場が最も活発な業界の一つで、適切な買い手を見つければ高値で売却できます。

選択肢4: 廃業(最後の選択肢)

介護事業所の廃業には利用者の他事業所への引き継ぎ・職員の再就職支援・原状回復などで500万〜数千万円のコストがかかります。利用者・家族・地域への影響が大きく、できる限り避けたい選択肢です。

4つの選択肢の比較表

選択肢準備期間得られる対価指定の継承
親族内承継5〜10年相続・贈与○ 要件確保が必要
従業員承継(MBO)3〜5年譲渡対価◎ 要件満たしやすい
第三者M&A6〜18ヶ月売却益(数千万〜数十億円)○ 株式譲渡なら継承
廃業3〜6ヶ月マイナス500万〜数千万円× 失効

サービス種別の売却相場(介護事業所)

訪問介護事業所

初期投資が少なく参入障壁が低い業態。年商の0.5〜1倍程度が相場。利用者数・サービス提供責任者の数・地域シェアで評価が決まります。

通所介護(デイサービス)

建物・送迎車両への投資が必要な業態。年商の0.7〜1.5倍が相場。稼働率・定員・職員配置で評価が大きく変わります。稼働率80%以上の事業所は買い手から特に評価されます。

有料老人ホーム・サ高住

大型不動産投資が必要な業態。年商の1〜2倍+不動産価値で評価。定員・入居率・職員体制が高評価の鍵。大手グループの主要なM&A対象です。

居宅介護支援事業所(ケアマネ)

ケアマネジャー1人あたりの担当件数で評価。年商の0.3〜0.8倍と他業態より低めの傾向。介護事業所への営業窓口として戦略的に買収されるケースもあります。

サービス種別売却相場(一覧)

サービス種別売却相場評価ポイント
訪問介護年商0.5〜1倍利用者数・地域シェア
通所介護(デイ)年商0.7〜1.5倍稼働率・定員
有料老人ホーム年商1〜2倍+不動産入居率・不動産価値
居宅介護支援年商0.3〜0.8倍ケアマネ数・営業力

会社価値を上げる「磨き上げ」7つのポイント

  1. 稼働率の向上:通所80%以上、入居施設95%以上を目指す
  2. 介護職員の定着率改善:処遇改善加算の活用
  3. 加算取得の充実:処遇改善・特定処遇改善・LIFE加算など
  4. 財務諸表の透明化:3年分の決算書クリーン化
  5. 利用者データベースの整備:利用履歴・ケアプラン管理
  6. ICT・介護ロボットの導入:業務効率化と差別化
  7. 地域連携の強化:医療機関・地域包括支援センターとの関係

これらを整えることで、売却価格が1.3〜1.8倍に上がるケースもあります。

指定事業所の指定の引き継ぎ方法

株式譲渡(M&A)の場合

株式譲渡では会社(法人格)が変わらないため、指定も継続されます。ただし管理者・サービス提供責任者の変更が発生する場合は、変更届が必要です。

事業譲渡の場合

事業譲渡では指定は引き継がれません。買い手側で新たに指定申請が必要です。指定取得には2〜3ヶ月かかるため、譲渡時期の調整が必要です。

人員基準・設備基準の維持

指定を維持するにはサービス種別ごとの人員基準を満たす必要があります。例えば訪問介護なら「サービス提供責任者1名以上、訪問介護員2.5人以上」など。承継時にこの要件を満たせないと指定取消のリスクがあります。

事業継続計画(BCP)の策定

2024年4月から介護事業所のBCP(事業継続計画)策定が義務化されました。承継時にBCPの内容を引き継ぎ、最新化することが必須です。

介護M&Aの流れ|7ステップ

STEP1: 売却方針の決定(1ヶ月)

「同業大手へ売る」「異業種参入企業へ売る」「MBOで内部承継」のどれを選ぶか決定。引退時期から逆算して計画を立てます。

STEP2: 簡易査定(2週間)

介護業に強いM&A仲介会社で無料査定を受けます。複数社から査定を取ると相場感が掴めます。

STEP3: 仲介会社選定(2週間)

介護特化型のM&A仲介会社か、マッチングサイトを選びます。介護業界知識のある仲介者でないと、指定事業所・加算・人員配置の価値を適切に評価してもらえません。

STEP4: 買い手探し・面談(3〜6ヶ月)

大手介護グループ・異業種参入希望企業など、複数の買い手と面談。匿名情報からスタートし、興味を示した相手にのみ詳細を開示します。

STEP5: 基本合意・トップ面談(1ヶ月)

条件が合う買い手と基本合意契約を結び、トップ同士で経営方針・職員雇用・引き継ぎ期間などを確認。介護職員の雇用継続・処遇維持が最重要交渉ポイントです。

STEP6: デューデリジェンス(買収監査)(1〜2ヶ月)

介護業特有のDDとして、「指定DD・労務DD・コンプライアンスDD」が実施されます。指定の維持要件、人員基準充足、処遇改善加算の取得状況、過去の行政指導歴などが詳しく調査されます。

STEP7: 最終契約・PMI(統合期間)

株式譲渡または事業譲渡の最終契約を締結。前社長は譲渡後6ヶ月〜1年、顧問やCEOとして関与を続けるケースが多くあります。

介護M&Aで気をつけるべき5つの落とし穴

落とし穴1: 介護職員の離職

承継時に介護職員が退職すると、人員基準を満たせず指定取消のリスクが発生します。譲渡前に職員と個別面談し、雇用継続・処遇改善を約束することが必須です。

落とし穴2: 利用者・家族の離反

「親しい職員がいるから利用している」というケースが多く、社長・職員の交代で利用者が他事業所に移るリスクがあります。譲渡前に利用者・家族への丁寧な説明が必要です。

落とし穴3: 介護報酬の返還リスク

過去の不正請求・運営基準違反などが発覚すると、介護報酬の返還命令が出るリスクがあります。これがDDで発覚すると譲渡対価の大幅減額や契約解除のリスクに繋がります。

落とし穴4: 個人情報保護法の遵守状況

利用者の医療・介護情報は超センシティブな個人情報。同意なきデータ取扱いが発覚すると譲渡対価の減額に繋がります。

落とし穴5: 老人ホームの入居一時金返還

有料老人ホームでは入居一時金の返還義務を負っています。経営権が変わっても返還義務は継続するため、買い手が嫌がる要因になります。事前に返還準備金の整備が重要です。

介護M&Aの成功事例3選

事例1: デイサービス3拠点を5億円で大手に売却したAさん(70歳)

関東地方で20年デイサービスを運営してきたAさん。稼働率85%・処遇改善加算最高位が評価され、大手介護グループに5億円で売却。職員50名の雇用も継続され、Aさんは技術顧問として関与を継続しています。

事例2: 訪問介護事業所を管理者にMBO譲渡したBさん(68歳)

関西の訪問介護事業所Bさんは、15年勤続の管理者(介護福祉士)に事業を譲渡。譲渡価格3,000万円を日本政策金融公庫の事業承継融資で調達。Bさんは譲渡後も会長として残り、3年かけて段階的に引退。

事例3: 有料老人ホームを15億円で異業種に売却したCさん(72歳)

地方の有料老人ホームCさんは、入居率95%・好立地・最新設備を高く評価され、異業種からの参入企業に15億円で売却。M&A後も社長として2年間経営を継続し、後継経営者を育成しました。

介護事業所オーナーにおすすめの相談先

1. 公的な無料相談窓口

2. 介護業に強いM&A仲介会社

大手M&A仲介会社(日本M&Aセンター・介護M&A支援センターなど)は、介護業案件の取扱実績が豊富。手数料は成約価格の5〜10%と高めですが、業界ネットワークが優れています。

3. M&Aマッチングサイト

4. 顧問税理士・公認会計士

介護業の会計処理・税務に詳しい専門家を選びましょう。介護報酬の会計処理は専門性が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 売却にはどのくらいの期間がかかる?

A. 一般的に6〜18ヶ月です。介護業はDD(特に指定DD・労務DD)に時間がかかります。

Q. 赤字の介護事業所でも売れる?

A. はい、可能です。赤字でも指定・好立地・職員体制があれば、買い手が見つかります。ただし、価格は黒字事業所より大幅に低くなります。

Q. 指定は引き継げる?

A. 株式譲渡なら継承されます。事業譲渡の場合は、買い手側で新規指定申請が必要。「人員基準」「設備基準」を満たすことが前提です。

Q. 入居者・利用者は引き継いでもらえる?

A. 株式譲渡なら自動的に継続。事業譲渡の場合は各利用者の同意が必要。承継前に利用者・家族への説明と新運営者との関係構築が重要です。

Q. 売却した後も会社に残れる?

A. はい。介護業のM&Aでは「会長・顧問・施設長」として2〜3年関与するのが一般的。買い手側もこれを望むケースが多くあります。

\ 介護事業所の事業承継・税務に強い税理士を探す /

税理士ドットコムで無料相談する

※登録無料・介護報酬会計や指定事業所の税務に詳しい税理士をご紹介

まとめ|介護事業所の事業承継は「指定と人材」がカギ

介護事業所の事業承継は、「指定の維持・職員の確保・利用者との関係継承」が成功のカギです。介護業界特有の指定制度と人員基準を理解した適切な準備が必須です。

事業承継を検討する介護事業所オーナーが今すぐやるべき3つの行動はこちらです。

  1. 介護特化M&A仲介会社で簡易査定:サービス種別ごとの評価を確認
  2. 職員との対話開始:雇用継続の意思を確認
  3. 運営記録・指定要件の整備:DD前の整備でトラブル防止

介護業界のM&A市場は活発で、適切な準備をすれば数千万〜数十億円の対価を得て引退できる時代です。早めの行動が、理想的な承継を実現します。

関連記事

← 前の記事
【2026年最新】不動産会社の事業承継|売却相場3,000万〜1億円・宅建業免許・専任宅建士確保のコツ
次の記事 →
【2026年最新】医療機関・診療所の事業承継|売却相場5,000万〜数億円・医療法人化・院長交代の進め方

事業承継の「はじめの一歩」を踏み出しませんか?

まずは基礎知識から。あなたに合った承継の形がきっと見つかります。

📘 事業承継の基礎知識を読む