M&A・第三者承継

【2026年最新】建設業の事業承継|売却相場5,000万〜数億円・建設業許可・経審・技術者確保のコツ

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【30秒で確認】建設業の事業承継 業界特性早見表

建設業は許認可・経審(経営事項審査)・技術者要件など制約が多い業界。M&A前の準備が複雑です。

項目内容
売却相場5,000万〜数億円(地場)/数十億円(中堅・専門)
主な買い手大手ゼネコン・地域建設業・PEファンド・専門工事業
必要な許認可建設業許可・経審・専任技術者確保(株式譲渡なら継続可能)
事業価値の中核経審点数・公共工事実績・元請ネットワーク・有資格者
所要期間6ヶ月〜1年(許認可確認含む)
主なリスク専任技術者の退職→許可失効・経審点数低下・下請取引の不透明性

📌 建設業M&A最大の落とし穴:「専任技術者」が承継後に退職すると建設業許可が失効するリスク。承継前にバックアップ技術者を確保・登録しておく必要があります。

👉 関連記事:製造業の事業承継DD失敗事例

「建設業を40年経営してきたが、息子は別の業界で働いている」

「許認可(建設業許可)の引き継ぎが心配」

「下請け中心の経営。元請けとの関係をどう引き継ぐか」

建設業は日本の事業承継問題が最も深刻な業種の一つです。国土交通省の調査では、建設業の経営者の約4割が60歳以上で、後継者未定の比率は他業種より高い傾向にあります。「廃業すれば地域の建設インフラが失われる」と国も対策を急いでいます。

しかし、廃業以外の選択肢は確実に増えています。近年は建設業特化型のM&A仲介や、地域の事業承継支援センターが活発に活動し、適切な後継者を見つけられるケースが急増しています。

この記事では、建設業の事業承継について以下のことが分かります。

「会社と技術を残したい」「許認可をどう引き継げばいいか分からない」と考える建設業オーナーの方は、最後までお読みください。

建設業の事業承継が他業種と違う5つの特徴

1. 建設業許可の引き継ぎが必須

建設業を営むには「建設業許可」が必須です。この許可は会社単位ではなく、「経営業務管理責任者」と「専任技術者」の存在が要件となるため、承継時にこれらの人材を引き継げないと許可を維持できません。

2. 経営事項審査(経審)の評価が重要

公共工事を受注するには「経営事項審査(経審)」の評価が必要。経審の評点は会社の財務・技術・社会性などで決まり、承継時に評点を維持・向上させることが事業継続のカギです。

3. 元請け・下請けの階層構造

建設業界は「ゼネコン → サブコン → 専門工事」という階層構造で成り立っています。承継時に元請けとの関係維持・下請け企業との取引継続が、経営継続性に直結します。

4. 経営者個人の信用・人脈に依存

建設業は「社長の人柄・人脈」で受注が決まることが多く、社長交代で発注が止まるリスクが高い業界です。承継前から後継者と元請けの関係を構築しておく必要があります。

5. 工事ごとの利益変動が大きい

建設業は1工事あたりの売上が大きく、利益も工事内容で大きく変動します。承継時の財務評価では、過去5年程度の平均値で判断する必要があります。単年度の業績だけで評価するのは不適切です。

建設業オーナーが選べる4つの選択肢

選択肢1: 親族内承継(子・配偶者)

息子・娘などに会社を引き継ぐ方法。建設業界では伝統的な承継パターンですが、後継者となる子どもが「建設業の3K(きつい・汚い・危険)」を理由に避けるケースも増えています。

選択肢2: 従業員承継(MBO)

長年勤務した役員や現場監督に会社を譲渡する方法。建設業では成功率が高い承継パターンです。「経営業務管理責任者」「専任技術者」の要件を満たす従業員がいれば、許可も含めて円滑に承継できます。

選択肢3: 第三者へのM&A・売却

同業他社や異業種企業に会社を売却する方法。建設業のM&A市場は活発で、「許認可・経審評点・取引先」を持つ企業は高値で売却できます。

選択肢4: 廃業(最後の選択肢)

建設業の廃業には機械設備の処分・原状回復・退職金などで500万〜数千万円のコストがかかります。さらに、長年蓄積した許認可・経審評点・取引関係も失われるため、できる限り避けたい選択肢です。

4つの選択肢の比較表

選択肢準備期間得られる対価許認可の継承
親族内承継5〜10年相続・贈与○ 要件確保が必要
従業員承継(MBO)3〜5年譲渡対価◎ 要件満たしやすい
第三者M&A6〜18ヶ月売却益(数千万〜数十億円)○ 株式譲渡なら継承
廃業3〜6ヶ月マイナス500万〜数千万円× 失効

建設業の会社価値はいくら?算定方法と相場

建設業の特殊な評価ポイント

建設業のM&Aでは、一般的な財務評価に加えて以下の要素が価格に大きく影響します。

算定方法:年買法+資産価値

建設業のM&Aでは「年買法」と「資産価値」の合計で評価されることが多いです。ただし業績変動が大きいため、過去5年の平均営業利益を使うのが一般的です。

計算式:評価額 = 過去5年の平均営業利益 × 3〜5年分 + 資産価値

例えば年間営業利益2,000万円・資産価値1.5億円の中小建設業なら、2.1〜2.5億円での売却が期待できます。

建設業の売却相場(規模別)

会社規模売却相場主な買い手層
家族経営(年商1億円以下)500万〜3,000万円独立希望者、同業小規模企業
中小(年商1〜10億円)3,000万〜5億円同業中堅、地方ゼネコン
中堅(年商10〜50億円)5億〜30億円大手ゼネコン、PEファンド
専門工事・特殊技術保有10億円〜数百億円大手企業、海外企業

会社価値を上げる「磨き上げ」7つのポイント

  1. 経審評点の向上:技術職員の確保・経営状況改善
  2. 有資格者の増員:1級・2級施工管理技士の育成
  3. 財務諸表の透明化:3年分の決算書、月次損益のクリーン化
  4. 取引先の集中度を下げる:上位1社の比率を30%以下に
  5. ISO9001・建設業労働災害防止協会認証の取得
  6. 機械設備の保守記録:稼働率・故障履歴のデータ整備
  7. キーマン以外への業務分散:社長依存からの脱却

これらを整えることで、売却価格が1.3〜1.8倍に上がるケースも珍しくありません。

建設業許可の引き継ぎ方法

建設業承継で最も重要な論点が「建設業許可の引き継ぎ」です。承継方法によって手続きが大きく異なります。

株式譲渡(M&A)の場合

株式譲渡では会社(法人格)が変わらないため、建設業許可も継続されます。ただし「経営業務管理責任者」「専任技術者」の変更が発生する場合は、変更届が必要です。

事業譲渡の場合

事業譲渡では建設業許可は引き継がれません。買い手側で新たに許可を取得する必要があります。許可取得には2〜3ヶ月かかるため、譲渡時期の調整が必要です。

2020年改正:事業承継認可制度

2020年の建設業法改正で「事業承継認可制度」が導入されました。事前に許可行政庁から認可を受ければ、事業譲渡・合併・分割でも建設業許可を承継できるようになりました。M&A時はこの制度の活用が必須です。

「経営業務管理責任者」「専任技術者」の確保

建設業許可を維持するには、以下の人材が必須です。

これらの人材を承継時に確保できないと、許可が失効するため事業継続が困難になります。後継者育成の早期着手が重要です。

建設業M&Aの流れ|7ステップ

STEP1: 事業承継の方針決定(1〜3ヶ月)

「親族・従業員・第三者・廃業」のどれを選ぶか決定。建設業許可・経審評点の維持を考慮しつつ、引退時期から逆算します。

STEP2: 会社価値の簡易査定(1ヶ月)

建設業に強いM&A仲介会社で無料査定を受けます。許可・経審評点・有資格者の評価には専門知識が必要です。

STEP3: 仲介会社の選定(2週間)

建設業に特化したM&A仲介会社を選ぶことが重要。建設業界知識のある仲介者でないと、許可・経審・元請け関係の価値を適切に評価してもらえません。

STEP4: 買い手探し・面談(3〜9ヶ月)

同業中堅・地方ゼネコン・PEファンドなど、さまざまな買い手と面談。匿名情報からスタートし、興味を示した相手にのみ詳細を開示します。

STEP5: 基本合意・トップ面談(1〜2ヶ月)

条件が合う買い手と基本合意契約を結び、トップ同士で経営方針・従業員雇用・引き継ぎ期間などを確認。建設業では「許可承継・経審維持・元請け関係」が特に重要な交渉ポイントです。

STEP6: デューデリジェンス(買収監査)(2〜3ヶ月)

建設業特有のDDとして、「許認可DD・労務DD・契約DD」が実施されます。建設業許可の維持要件、労働安全衛生の遵守状況、進行中工事の契約状況などが詳しく調査されます。

STEP7: 最終契約・PMI(統合期間)

株式譲渡または事業譲渡の最終契約を締結し、譲渡対価を受け取ります。建設業のM&Aでは譲渡後6ヶ月〜1年のPMI(統合期間)が必須で、前社長は顧問・技術アドバイザーとして関与し続けるケースが多くあります。

建設業M&Aで気をつけるべき5つの落とし穴

落とし穴1: 建設業許可の失効リスク

承継時に「経営業務管理責任者」「専任技術者」が退職すると、許可が失効するリスクがあります。譲渡前にキーマンの雇用継続を契約で確約することが必須です。

落とし穴2: 元請けとの関係維持

大手ゼネコンとの取引は「経営者の人柄・人脈」で続いていることが多く、社長交代で発注が打ち切られるリスクがあります。譲渡前に重要取引先と新オーナーが面会し、関係性を引き継ぐ準備が必要です。

落とし穴3: 進行中工事の契約承継

建設業のM&Aでは進行中の工事契約が大量に存在します。事業譲渡の場合、各工事ごとに発注者の承諾が必要で、承諾を得られないと契約解除のリスクがあります。

落とし穴4: 個人保証・連帯保証の解除

多くの建設業オーナーは銀行融資の個人保証を負っています。M&A時に保証を新オーナーに引き継いでもらう交渉が必要で、銀行との交渉次第では引退後も保証責任が残るリスクがあります。

落とし穴5: 簿外債務(保証債務・労災)

建設業特有のリスクとして、下請け企業への保証債務、労災事故の損害賠償請求などがあります。これらが後から発覚すると譲渡対価の減額や訴訟のリスクが発生します。事前にDDで徹底的にチェックしましょう。

建設業M&Aの成功事例3選

事例1: 地域密着の土木工事会社を5億円で売却したAさん(70歳)

東北地方で40年土木工事業を営んできたAさん。後継者がおらず廃業を考えていましたが、地方自治体との直接取引・経審評点850が評価され、地方ゼネコンに5億円で売却。社員50名の雇用も継続され、Aさんは技術顧問として週2日勤務を継続しています。

事例2: 工事部長へのMBOで承継したBさん(68歳)

関西の住宅建設会社Bさんは、20年勤続の工事部長(1級施工管理技士保有)に会社を譲渡。譲渡価格1億円を日本政策金融公庫の事業承継融資で調達。Bさんは譲渡後も会長として残り、3年かけて段階的に引退。技術・取引先・社風が完全に引き継がれた成功例です。

事例3: 専門工事会社を大手ゼネコンに15億円で売却したCさん(65歳)

関東の橋梁補修専門工事会社Cさんは、独自工法と国交省直接受注実績を高く評価され、大手ゼネコンに15億円で売却。M&A後も社長として2年間経営を継続し、後継経営者を育成。引退後は別の中小建設業の社外取締役として業界貢献を続けています。

建設業オーナーにおすすめの相談先・支援制度

1. 公的な無料相談窓口

2. 建設業に強いM&A仲介会社

大手M&A仲介会社(日本M&Aセンター・M&Aキャピタルパートナーズ・ストライクなど)は、建設業案件の取扱実績が豊富です。手数料は成約価格の5〜10%と高めですが、業界ネットワーク・買い手企業へのアクセスが優れています。

3. M&Aマッチングサイト

4. 補助金・税制優遇

よくある質問(FAQ)

Q. 売却にはどのくらいの期間がかかる?

A. 一般的に6〜18ヶ月です。建設業はDD(特に許認可DD・労務DD)に時間がかかるため、他業種のM&Aより長めになります。

Q. 赤字の建設業でも売れる?

A. はい、可能です。赤字でも建設業許可・経審評点・大手取引先があれば、買い手が見つかります。ただし、価格は黒字企業より大幅に低くなります。

Q. 建設業許可は引き継げる?

A. 株式譲渡なら継承されます。事業譲渡の場合は、2020年改正の「事業承継認可制度」で承継可能。「経営業務管理責任者」「専任技術者」の確保が前提です。

Q. 経審の評点は引き継げる?

A. 株式譲渡なら継承されます。事業譲渡の場合、新会社で新たに経審を受ける必要があります。承継後に評点が下がらないよう、技術職員の維持が重要です。

Q. 売却した後も会社に残れる?

A. はい。建設業のM&Aでは「会長・技術顧問・社外取締役」として2〜5年関与するのが一般的です。技術伝承・取引先継承の観点から、買い手側もこれを望むケースが多くあります。

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まとめ|建設業オーナーが今すぐやるべき第一歩

建設業の事業承継は、「許認可・経審・元請関係」をいかに引き継ぐかが成功のカギです。製造業・IT企業のような有形資産・無形資産だけでなく、許認可・公共工事受注力という独自要素があるからこそ、適切な準備と専門家の活用が必須になります。

事業承継を検討するなら、今すぐ以下の3つから始めることをおすすめします。

  1. 事業承継・引継ぎ支援センターに無料相談:全国47都道府県の公的窓口
  2. 会社の簡易査定:建設業特化M&A仲介会社で価値を試算
  3. 後継者候補との対話開始:経営業務管理責任者・専任技術者の要件確認

建設業のM&Aは準備期間が長いほど有利です。引退時期から逆算して、6ヶ月〜18ヶ月の余裕を持って動き出しましょう。

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