親族承継・従業員承継

事業承継と経営者保証(個人保証)|ガイドラインの活用法と保証解除の進め方

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経営者保証解除の成功事例

事例:製造業D社(年商2億円・親族内承継)

D社は先代社長から息子への承継に際し、経営者保証の解除を銀行に申し入れました。銀行は当初、保証解除に消極的でしたが、D社が以下の取り組みを行ったことで解除に成功しました。

結果、事業承継時に先代の個人保証を解除し、新たな保証なしでの融資継続が認められました。ポイントは、保証解除の準備を承継の3年前から計画的に始めたことです。

経営者保証に関する最新の動向

「経営者保証改革プログラム」の推進

金融庁は経営者保証への依存からの脱却を推進しており、金融機関に対して経営者保証に依存しない融資の拡大を求めています。実際に、新規融資における経営者保証なしの割合は年々増加しています。

事業承継時の保証二重徴求の原則禁止

事業承継時に、前経営者と後継者の両方から保証を取る「二重徴求」は原則として行わないよう、金融機関に対して指導が行われています。もし二重徴求を求められた場合は、ガイドラインに基づいて交渉しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 経営者保証を外すと融資条件が厳しくなりますか?

保証を外す代わりに、金利の引き上げや担保の追加を求められるケースはあります。ただし、財務状況が健全であれば条件変更なしで解除できる場合もあります。複数の金融機関に相談してみましょう。

Q. 保証解除は自分で銀行に交渉できますか?

可能ですが、ガイドラインの内容を正確に理解したうえで交渉する必要があります。不安な場合は、事業承継・引継ぎ支援センターや中小企業診断士に相談することをおすすめします。

「後継者に会社の借金の連帯保証まで引き継がせるのは申し訳ない…」

「経営者保証があるから、子どもが継ぎたがらない」

「個人保証を外す方法はないの?」

事業承継において、経営者保証(個人保証)は大きな壁です。中小企業基盤整備機構の調査では、後継者候補が承継を拒否する理由の約6割が「個人保証」でした。

しかし、近年は制度の整備が進んでいます。「経営者保証に関するガイドライン」や新しい保証制度により、保証を外せる環境が整いつつあります。

この記事では、経営者保証の基本から解除方法までを解説します。

経営者保証とは?なぜ障害になるのか

経営者保証の仕組み

経営者保証とは、融資を受ける際に経営者個人が連帯保証人になることです。会社の信用力だけでは融資が難しい場合に、個人の資産で信用を補完します。

つまり、会社が倒産すると経営者個人が返済義務を負います。この重い負担が、事業承継で問題を引き起こしているのです。

事業承継で起きる3つの問題

まず、後継者候補が多額の保証債務を懸念し、承継を拒否するケースがあります。

また、先代の保証が残ったまま後継者にも保証が求められる「二重保証」も問題です。さらに、保証債務が思い切った事業展開を妨げ、成長機会を逃すこともあります。

「経営者保証に関するガイドライン」とは

2014年から運用が開始された金融機関共通のルールです。全国銀行協会と日本商工会議所が策定しました。一定の要件を満たせば、保証なしの融資や既存の保証解除が可能になります。

保証を外すための3つの要件

① 法人と経営者の資産の分離
会社と個人のお金が明確に区分されていることが必要です。具体的には、過大な役員報酬や経営者への貸付がないことが求められます。

② 財務基盤の強化
会社の資産や収益力だけで返済が可能な状態が求められます。十分な内部留保や安定した業績が条件です。

③ 財務情報の適時開示
金融機関に対して、決算書だけでなく試算表や事業計画も定期的に報告します。経営の透明性を確保することが必要です。

これら3つの要件の全てまたは一部を満たせば、保証の見直しが検討されます。

事業承継に特化した「特則」のポイント

2020年4月からは、事業承継向けの「特則」が運用開始されました。

二重保証の原則禁止

事業承継時に、先代と後継者の両方から保証を取ることは原則禁止です。これにより、二重の負担が解消されます。

金融機関の説明義務

金融機関は、保証を求める場合にその理由を具体的に説明する義務があります。また、どの要件を満たせば外せるかを明示しなければなりません。

前経営者の保証見直し

事業承継後に前経営者が経営権を持たなくなった場合、保証を速やかに解除するよう求められています。

事業承継特別保証制度の活用

ガイドラインと合わせて活用したいのが、信用保証協会の「事業承継特別保証制度」です。一定の要件を満たせば、保証人なしで最大2億8,000万円の信用保証を受けられます。

主な利用要件

対象は、3年以内に事業承継を予定する法人、または承継後3年以内の法人です。

さらに以下の条件もすべて満たす必要があります。資産超過であること、EBITDA有利子負債倍率が15倍以内であること、法人と個人の資産が分離されていること、返済猶予中の借入金がないことです。

事業承継のスケジュールを立てる際には、この制度の活用も視野に入れましょう。

経営者保証を外すための具体的なステップ

ステップ1:金融機関に相談する

まずは取引金融機関に「保証を外したい」と率直に伝えましょう。要件をすでに満たしていれば、この時点で解除されることもあります。

解除できない場合は、その理由を具体的に聞きます。改善すべきポイントを明確にしましょう。

ステップ2:要件の充足に取り組む

金融機関から指摘された課題に対応します。たとえば、経営者への貸付金の解消や事業用不動産の法人名義化があります。また、内部留保の積み増しや収益力の改善にも取り組みましょう。

ステップ3:専門家の支援を活用する

「経営者保証コーディネーター」による無料相談を利用できます。保証解除に向けた具体的なアドバイスが受けられます。

また、税理士に財務状況の検証を依頼するのも効果的です。事業承継の相談先も参考にしてください。

ステップ4:補助金・支援制度を確認する

保証解除に向けた取り組みには、事業承継・M&A補助金の「専門家活用枠」が使える場合があります。費用面の負担を軽減できるので、必ず確認しましょう。

保証解除できなかった場合のセーフティネット

努力しても保証が解除できない場合でも、セーフティネットがあります。ガイドラインに基づく保証債務の整理制度です。

保護される内容

一定期間の生活費(約100万円〜360万円)を手元に残せます。また、華美でない自宅に住み続けられる可能性もあります。

さらに、返済しきれない残額は原則免除されます。信用情報機関への事故情報登録もされません。つまり、自己破産とは異なる手続きで、再出発を支える制度です。

まとめ

経営者保証は事業承継の大きな障害です。しかし、ガイドラインや特別保証制度により、解除の道は広がっています。

「資産分離」「財務基盤の強化」「情報開示の充実」の3要件を意識しましょう。そして、早めに準備を始めることが重要です。

まずは取引金融機関や事業承継の相談窓口に相談してみてください。

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