M&A・第三者承継

事業価値評価(バリュエーション)とは?M&Aで使われる3つの算定方法をわかりやすく解説

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バリュエーションの具体例:中小企業のケーススタディ

ケース1:年商1億円の製造業(従業員10名)

直近3年の平均営業利益が1,500万円の製造業の場合、年買法(年倍法)で算出すると以下のようになります。

時価純資産5,000万円 + 営業利益1,500万円 × 3年分 = 企業価値 約9,500万円

ただし、経営者個人への依存度が高い場合や、主要取引先が1社に集中している場合はディスカウント(減額)されます。

ケース2:年商3,000万円のWebサービス

月額課金モデルのSaaSサービスの場合、MRR(月次経常収益)×12〜36ヶ月分が一つの目安になります。MRRが100万円なら、1,200万〜3,600万円が企業価値の目安です。解約率が低く、成長中のサービスほど高い倍率がつきます。

バリュエーションで失敗しないための3つのポイント

ポイント1:複数の手法で算出して比較する

1つの手法だけで企業価値を決めるのは危険です。DCF法、類似会社比較法、時価純資産法など、最低2つの手法で算出し、結果を比較検討しましょう。大きく乖離する場合は、その原因を分析することが重要です。

ポイント2:「正常収益力」を正しく把握する

中小企業では、経営者の報酬が相場より高い(または低い)、個人的な経費が混在している、一時的な特需がある、といったケースが多いです。これらを調整した「正常収益力」をベースにバリュエーションを行いましょう。

ポイント3:将来性と成長ポテンシャルも加味する

過去の実績だけでなく、業界の成長性、新規事業の可能性、市場でのポジションなども企業価値に影響します。特に買い手側にとっては、シナジー効果(相乗効果)が価格交渉の重要な要素になります。

よくある質問(FAQ)

Q. バリュエーションは誰に依頼すべきですか?

M&A仲介会社、公認会計士、税理士などに依頼できます。簡易的な評価であれば仲介会社が無料で行ってくれるケースもあります。正式な株価算定書が必要な場合は公認会計士に依頼しましょう。費用は30万〜100万円程度です。

Q. 売り手と買い手で評価額が大きく異なる場合はどうなりますか?

M&Aでは、売り手が高く評価し、買い手が低く評価するのが一般的です。両者の間で交渉を行い、条件(アーンアウト条項や分割払いなど)を工夫して合意点を見つけます。仲介会社やFAが調整役を担うことが多いです。

「うちの会社はいくらで売れるの?」

「M&Aの価格はどうやって決まるの?」

「バリュエーションの計算方法を知りたい」

M&Aで会社や事業を売買する際、最も重要なのが「いくらで取引するか」という価格の問題です。この価格を算定するプロセスをバリュエーション(事業価値評価)と呼びます。

この記事では、中小企業のM&Aでよく使われるバリュエーションの3つの方法を、初心者にもわかりやすく解説します。

バリュエーションとは

バリュエーションは、企業や事業の経済的な価値を評価・算定するプロセスです。M&Aにおける売買価格の交渉の出発点となります。

ただし、バリュエーションで算出される金額はあくまで「理論上の目安」であり、実際の売買価格は買い手と売り手の交渉によって決まります。同じ会社でも、算定方法によって評価額は大きく異なります。株価対策を行うことで評価額を改善することも可能です。

3つの主なバリュエーション手法

①コストアプローチ(純資産法)

会社の純資産(資産−負債)をベースに企業価値を算定する方法です。中小企業のM&Aで最もよく使われる手法のひとつです。

簿価純資産法は、決算書の簿価をそのまま使う最もシンプルな方法です。時価純資産法は、資産と負債を時価に修正して純資産を算出します。不動産や有価証券を保有している企業では、簿価と時価に大きな差が出ることがあります。

実務では、時価純資産に「のれん代」(営業権)を加算する方法が広く使われます。のれん代は通常、営業利益の3〜5年分で計算されます。

計算例:時価純資産5,000万円+のれん代(営業利益1,000万円×3年)=企業価値8,000万円

メリットは、計算がわかりやすく客観性が高いことです。デメリットは、将来の成長性や収益力を十分に反映できないことです。

②インカムアプローチ(収益還元法・DCF法)

企業が将来生み出すキャッシュフローをベースに価値を算定する方法です。理論的に最も優れた方法とされ、大規模M&Aでは主流の手法です。

DCF法(Discounted Cash Flow法)は、将来3〜5年間のフリーキャッシュフローを予測し、それを現在価値に割り引いて企業価値を算出します。割引率には、リスクの大きさに応じた値(通常5〜15%程度)を使います。

メリットは、企業の将来性と収益力を適切に反映できることです。デメリットは、将来予測の精度に大きく依存するため、前提条件によって評価額が大きく変わることです。中小企業では、将来予測の信頼性が低い場合も多く、補助的に使われることが多いです。

③マーケットアプローチ(類似会社比較法)

類似する企業や取引事例の価格をベースに価値を算定する方法です。

類似会社比較法(マルチプル法)は、類似する上場企業の株価指標(EV/EBITDA倍率、PER、PBRなど)を参考に、対象企業の価値を算出します。中小企業M&Aでは、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)に業界平均の倍率をかける方法がよく使われます。

類似取引比較法は、同業種・同規模の過去のM&A取引価格を参考にする方法です。M&Aマッチングサイトに掲載されている案件の価格帯も参考になります。

メリットは、市場の実勢を反映できることです。デメリットは、中小企業の場合、適切な類似企業や取引事例を見つけるのが難しいことです。

中小企業M&Aで実際に使われる方法

中小企業のM&Aでは、「時価純資産+のれん代」方式が最も一般的です。のれん代の算定に営業利益やEBITDAの3〜5年分を使うケースが多く、計算がシンプルで売り手・買い手双方にとって理解しやすいためです。

複数の方法で算出した結果を比較し、総合的に判断するのが理想的です。デューデリジェンスの結果を踏まえて、最終的な売買価格は交渉で決まります。

バリュエーションを高めるためにできること

売り手としてバリュエーションを高めるには、M&Aの前に事業の磨き上げを行うことが効果的です。具体的には、安定的な収益基盤を築く、不要な資産を整理する、経営の属人性を解消する、財務内容を改善するなどの取り組みが挙げられます。

個人M&Aの資金調達を考えている買い手にとっても、バリュエーションの知識は「適正な価格で買えているか」を判断するために欠かせません。

まとめ

事業価値評価は、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの3つの手法があり、中小企業M&Aでは時価純資産+のれん代方式が主流です。適正な価格で取引するために、専門家の力を借りながらバリュエーションを行いましょう。

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