M&A・第三者承継

M&Aによる事業承継の流れ|売り手が知っておくべき手続きと進め方

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「M&Aで会社を売却する流れがよくわからない」

「何から始めればいいの?どのくらい時間がかかる?」

「売り手として気をつけるべきポイントを知りたい」

後継者不在の中小企業にとって、M&Aは事業を存続させる有力な選択肢です。しかし、M&Aには専門的な手続きが多くあります。そのため、全体像がつかみにくいと感じる経営者も少なくありません。

M&Aは成約まで半年〜1年以上かかるのが一般的です。全体の流れを事前に理解しておけば、各段階で適切な判断ができます。

この記事では、M&Aの流れを7つのステップに分けて解説します。

📌 この記事でわかること

M&Aの全体像を把握しよう

M&Aの流れは大きく4つのフェーズに分かれます。「準備」「マッチング」「交渉・調査」「契約・引き継ぎ」です。ここからは、各フェーズに含まれる7つのステップを順番に見ていきましょう。

なお、M&Aが自社に合っているかどうかを判断するには、まず後継者不在時の4つの選択肢を理解しておくことが大切です。

ステップ1:目的の明確化と専門家への相談

M&Aの第一歩は、「なぜ会社を売却するのか」を明確にすることです。目的が曖昧なまま進めると、交渉途中で判断がぶれてしまいます。

専門家を選ぶ

目的が明確になったら、M&A仲介会社やアドバイザーに相談します。中小企業の場合、まずは無料の事業承継・引継ぎ支援センターを活用するのがおすすめです。その他の専門相談窓口もあわせて確認しておきましょう。

情報管理を徹底する

仲介会社とは秘密保持契約(NDA)を結びます。そのうえで、アドバイザリー契約を締結します。

M&Aの情報が従業員や取引先に漏れると混乱を招きます。そのため、情報管理は最初から徹底することが重要です。

ステップ2:企業価値の算定と売却条件の整理

アドバイザーが決まったら、自社の企業価値評価(バリュエーション)を行います。非上場企業には市場価格がありません。そこで、以下のような方法で評価額を算出します。

3つの評価方法

コストアプローチは、会社の純資産をもとに評価する方法です。インカムアプローチは、将来の収益に基づく方法で、成長性の高い企業に有利です。マーケットアプローチは、類似する上場企業やM&A事例をもとに比較する方法です。

どの方法を使うかで評価額は大きく変わります。アドバイザーとよく相談しましょう。

同時に、譲れない条件も整理しておきましょう。たとえば、従業員の雇用維持や売却希望価格、社名の継続などです。

ステップ3:買い手候補の探索とマッチング

準備が整ったら、買い手候補を探します。アドバイザーは「ノンネームシート」を作成します。これは社名を伏せた匿名の概要書です。

企業概要書(IM)の提供

買い手候補が興味を示したら、秘密保持契約を締結します。そのうえで、より詳細な企業概要書(IM)を提供します。IMには会社概要、事業内容、財務データなどが記載されます。

最近では、M&Aマッチングサイトを活用するケースも増えています。仲介会社と併用すれば、候補企業の幅を広げられます。

ステップ4:トップ面談と基本合意

買い手候補が絞られたら、トップ面談を行います。これは売り手と買い手の経営者が直接会う場です。

単なる条件交渉ではありません。経営理念や従業員への考え方を確認する重要な機会です。

基本合意書(LOI)の締結

双方が前向きであれば、基本合意書を締結します。おおよその譲渡価格やスケジュール、独占交渉権などが記載されます。

基本合意書は、多くの部分に法的拘束力がありません。ただし、独占交渉権と秘密保持義務には拘束力を持たせるのが一般的です。つまり、基本合意後は他の候補企業と交渉できなくなります。

ステップ5:デューデリジェンス(DD)

基本合意後、買い手はデューデリジェンス(DD)を実施します。DDとは、売り手企業の財務・法務・税務などを多角的に調査するプロセスです。

売り手が準備する書類

売り手は多くの資料を準備する必要があります。具体的には、決算書、契約書、従業員リスト、許認可関係の書類などです。現地調査やヒアリングが行われることもあります。

情報開示は誠実に

DDで最も重要なのは、情報開示の誠実さです。不都合な情報を隠すと、後から発覚した場合に大問題になります。信頼関係が崩れて破談になったり、損害賠償を請求されたりするリスクがあります。

正直に情報を開示することが、結果的に円滑なM&Aにつながります。詳しくは「デューデリジェンスとは」をご覧ください。

ステップ6:最終契約とクロージング

DDの結果を踏まえて、最終的な条件交渉を行います。合意に至れば、最終契約書(DA)を締結します。

最終契約書の内容

最終契約書には、譲渡価格や表明保証、補償条項などが盛り込まれます。表明保証とは、売り手が事実を保証する条項です。詳しくは「M&Aの最終契約書(SPA)とは」で解説しています。

クロージングの手続き

クロージングとは、株式の引き渡しと対価の支払いを行う手続きです。株式の名義書換や代表者変更登記、入金確認などが行われます。

クロージングが完了した時点で、経営権が正式に買い手に移転します。

ステップ7:PMI(統合プロセス)と引き継ぎ

M&Aは契約して終わりではありません。クロージング後にPMI(経営統合プロセス)が始まります。

具体的には、組織体制の整備や業務プロセスの統合を進めます。また、ITシステムの連携や企業文化の融合にも取り組みます。

売り手経営者の役割

売り手の経営者は、まず従業員や取引先にM&Aの事実を説明します。不安を解消する役割は非常に重要です。

また、一定期間(半年〜2年程度)は顧問として会社に残るケースが一般的です。PMIの成否がM&A全体の成功を左右します。売り手としても、円滑な引き継ぎに協力する姿勢が大切です。

M&Aを成功させるための4つのポイント

① 情報管理を徹底する

M&Aの情報が漏れると、不安や動揺が広がります。伝えるタイミングと相手は慎重に判断しましょう。原則として、クロージング完了まで機密を守ります。

② 早めに準備を始める

成約まで半年〜1年以上かかります。基本の5ステップに沿って、余裕を持って準備しましょう。業績が良いタイミングなら、より高い評価額が期待できます。

③ 信頼できる専門家を選ぶ

M&Aは仲介会社の力量で結果が大きく変わります。実績や費用体系を比較し、自社に合った専門家を選びましょう。

④ 譲れない条件を明確にしておく

「従業員の雇用は守りたい」「社名を残したい」など、重要な条件を事前に整理しておきましょう。ただし、すべてを通すのは難しいです。そのため、優先順位をつけておくことも大切です。

まとめ

この記事では、M&Aの流れを7つのステップに分けて解説しました。

M&Aは専門的な手続きが多いです。しかし、信頼できる専門家のサポートがあれば、中小企業でも十分に対応できます。大切なのは、全体の流れを理解し、早めに準備を始めることです。

まずは事業承継・引継ぎ支援センター(無料)に相談することから始めてみてください。

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