M&Aの費用と手数料の相場|仲介会社の報酬体系・レーマン方式をわかりやすく解説
M&A費用の具体例:ケース別シミュレーション
ケース1:個人が500万円の事業を買収する場合
マッチングサイト(プラットフォーム型)を利用した場合の費用目安です。
- マッチングサイト手数料:成功報酬5〜10%(25万〜50万円)
- 弁護士費用(契約書チェック):10万〜30万円
- 税理士費用(簡易DD):10万〜30万円
- 登記費用(株式譲渡の場合):5万〜10万円
- 合計:50万〜120万円(譲渡価格の10〜24%)
譲渡価格500万円に対して、別途50万〜120万円の費用がかかる計算です。自己資金は合計で600万〜650万円程度を見込んでおきましょう。
ケース2:中小企業が5,000万円でM&Aする場合
仲介会社を利用した場合の費用目安です。
- 着手金:50万〜200万円
- 中間報酬:成功報酬の10〜20%(50万〜100万円)
- 成功報酬(レーマン方式5%):250万円
- DD費用(財務・法務):100万〜300万円
- 合計:450万〜850万円(譲渡価格の9〜17%)
小規模M&Aほど、譲渡価格に対する費用の割合が高くなる傾向があります。費用を抑えるためには、最低手数料が低い仲介会社を選ぶことがポイントです。
仲介会社を選ぶ際のチェックリスト
- 最低手数料の金額(小規模M&Aでは特に重要)
- 着手金・中間報酬の有無(完全成功報酬型かどうか)
- レーマン方式の基準額(株式価格基準か、移動総資産基準か)
- 同規模・同業種のM&A実績があるか
- 担当アドバイザーの経験と専門性
- 契約期間と中途解約の条件
- 利益相反の可能性(両手仲介かFAか)
仲介会社は最低3社以上を比較して選びましょう。初回相談は無料の会社がほとんどなので、まず話を聞いてみることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. M&Aの費用は誰が負担しますか?
基本的に、仲介手数料やアドバイザー費用はそれぞれの依頼者が負担します。DD費用は買い手側が負担するのが一般的です。ただし、交渉の中で費用分担を取り決めるケースもあります。
Q. 費用を補助してもらえる制度はありますか?
はい、「事業承継・引継ぎ補助金」のM&A支援型を活用すれば、仲介手数料やDD費用の一部(上限600万円、補助率2/3)を補助してもらえます。申請要件を確認のうえ、ぜひ活用を検討してください。
Q. 仲介会社を使わずにM&Aを進めることはできますか?
マッチングサイトを使えば、仲介会社を介さずに売り手・買い手が直接交渉できます。ただし、契約書の作成やDDは専門家への依頼が必要です。仲介手数料は抑えられますが、弁護士・税理士費用は別途かかります。
「M&Aを仲介会社に頼むと、いくらかかるの?」
「着手金、成功報酬…種類が多くてよくわからない」
「費用を抑えてM&Aを進める方法はある?」
M&Aによる事業承継を検討する際、避けて通れないのが費用の問題です。仲介会社に支払う費用は、数百万円〜数千万円になることもあります。そのため、事前に費用構造を理解しておくことが不可欠です。
しかし、M&Aの手数料には法規制がありません。仲介会社ごとに料金体系が異なるため、相場がわかりにくいのが実情です。
この記事では、M&Aにかかる費用の種類・相場・計算方法を解説します。
📌 この記事でわかること
- M&Aにかかる費用の全体像
- 仲介手数料の種類と相場
- 成功報酬の計算方法「レーマン方式」
- 費用を抑える5つのポイント
M&Aにかかる費用の全体像
M&Aには大きく分けて「仲介手数料」と「その他の実費」がかかります。
仲介手数料
M&A仲介会社やFAに支払う報酬です。相手探しから契約、クロージングまでのサポート対価で、費用の大部分を占めます。
その他の実費
具体的には、デューデリジェンスの費用(弁護士・会計士への報酬)があります。また、株式評価費用、契約書作成の弁護士費用、登記費用、税金なども必要です。
仲介手数料の種類と相場
仲介会社に支払う手数料には、主に5つの種類があります。すべてが発生するわけではなく、会社によって料金体系は異なります。
① 相談料
初回相談時にかかる費用です。相場は無料〜1万円程度です。近年は無料とする会社が大半なので、気軽に相談できます。
② 着手金
正式に契約を締結する際に支払います。相場は50万円〜200万円程度です。ただし、着手金無料の会社も増えています。
注意点として、M&Aが成立しなくても返金されないのが一般的です。
③ 月額報酬(リテイナーフィー)
毎月支払う顧問料です。相場は月30万円〜200万円程度です。ただし、設定していない会社の方が多い傾向にあります。
④ 中間金
基本合意書を締結したタイミングで支払います。相場は成功報酬の10%〜20%程度です。成功報酬に充当される場合もあるので、契約前に確認しましょう。
⑤ 成功報酬
M&Aが成立した際に支払う費用です。手数料の中で最も大きな金額になります。計算には「レーマン方式」が広く使われています。
成功報酬の計算方法「レーマン方式」とは?
レーマン方式は、成功報酬を計算する際に最もよく使われる方法です。取引金額に応じて料率が段階的に下がります。
レーマン方式の料率
一般的な料率は以下のとおりです。5億円以下の部分は5%、5億円超〜10億円は4%、10億円超〜50億円は3%、50億円超〜100億円は2%、100億円超は1%です。
計算例
たとえば、取引金額が3億円の場合を考えましょう。成功報酬は3億円×5%=1,500万円です。
取引金額が8億円の場合は、5億円×5%+3億円×4%=3,700万円になります。
注意点:算定基準の違い
「何を取引金額とするか」は仲介会社によって異なります。株式価値ベース、企業価値ベース、総資産ベースなど複数の基準があります。基準が違えば成功報酬も大きく変わるため、契約前に必ず確認しましょう。
また、多くの会社は最低報酬額を設定しています。中小企業庁の調査では、500万円が最も多い価格帯です。小規模なM&Aでは手数料の割合が高くなりやすいので、注意が必要です。
仲介会社・FA・公的機関の費用比較
M&Aの依頼先は大きく3つあります。それぞれ費用構造が異なります。
M&A仲介会社
売り手・買い手の双方の間に立って仲介します。両方から手数料を受け取る「両手取引」が一般的です。手数料の合計は取引金額の約10%程度です。マッチング力が強く、中小企業のM&Aでは最も多く利用されています。
FA(ファイナンシャルアドバイザー)
売り手または買い手の一方の立場に立つアドバイザーです。片方のみから手数料を受け取ります。そのため、依頼者の利益を最大化しやすいのが特徴です。手数料は取引金額の約5%程度です。
公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター)
国が設置した無料の相談窓口です。マッチング支援を無料で受けられます。ただし、具体的な交渉や契約は民間の専門家に引き継がれます。迷ったら、まずはここに相談しましょう。
また、M&Aマッチングサイトを活用する方法もあります。売り手は登録無料のサイトが多いです。成約時の手数料も仲介会社より安い傾向にあります。
M&Aの費用を抑える5つのポイント
① 複数の仲介会社から見積もりを取る
料金体系は会社ごとに異なります。最低3社は比較検討しましょう。同じ取引でも数百万円の差が出ることがあります。
② 完全成功報酬制の会社を検討する
着手金・中間金が不要で、成立時のみ報酬が発生する仕組みです。初期費用のリスクを抑えられます。ただし、成功報酬が割高でないかは確認しましょう。
③ 補助金を活用する
「事業承継・M&A補助金」の専門家活用枠では、仲介手数料の最大2/3が補助されます。上限は800万円です。詳しくは「補助金・支援制度」をご確認ください。
④ レーマン方式の算定基準を確認する
同じ料率でも、株式価格基準と総資産基準では報酬額が大きく違います。借入金の多い会社は特に注意が必要です。
⑤ 公的機関を起点にする
事業承継・引継ぎ支援センターでの無料相談を出発点にしましょう。適切な専門家の紹介も受けられます。事業承継の相談先7選も参考にしてください。
まとめ
この記事では、M&Aにかかる費用と手数料の種類・相場・計算方法を解説しました。
M&Aの手数料は高額になりがちです。しかし、複数社の比較や補助金の活用で、費用を抑えることは可能です。まずは公的機関の無料相談を活用して、自社に合った進め方を見つけてみてください。
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