個人M&Aのリスクと対策|知っておくべき7つの落とし穴
「個人M&Aにはどんなリスクがある?」
「会社を買って失敗する人の共通点は?」
「リスクを最小限に抑える方法を知りたい」
個人M&Aは魅力的な選択肢ですが、リスクも存在します。リスクを知らずに進めると、大きな損失を被ることもあります。
この記事では、個人M&Aの7つのリスクとその対策を解説します。事前に対策を立てて安全にM&Aを進めましょう。
リスク① 簿外債務の発覚
どんなリスクか
決算書に記載されていない負債が買収後に見つかるリスクです。未払い残業代、退職金の積立不足、保証債務、税務上の問題などが代表的です。
対策
デューデリジェンス(DD)を必ず実施しましょう。財務DDでは決算書の裏側まで調査します。また、最終契約書の表明保証条項で「簿外債務がない」ことを売り手に保証させることも重要です。
リスク② 売上の粉飾・過大表示
どんなリスクか
売り手が実態より売上を大きく見せているケースです。一時的な大口取引を含めた売上で算定された買収価格を払うと、割高な買い物になります。
対策
直近3〜5年の売上推移を確認し、異常な増減がないかチェックします。売上の内訳を顧客別・商品別に分析し、特定の顧客への依存度が高すぎないかも確認しましょう。
リスク③ キーパーソンの退職
どんなリスクか
経営者交代をきっかけに、主要な従業員が退職するリスクです。特に技術者や営業のキーマンが辞めると、事業の継続が困難になります。
対策
従業員への説明を丁寧に行い、雇用条件の維持を明確に伝えましょう。キーパーソンには個別面談で処遇を話し合い、インセンティブ(昇給・ボーナス・役職)を検討します。知的資産の引き継ぎも計画的に行いましょう。
リスク④ 資金ショート
どんなリスクか
買収価格に資金を使い果たし、運転資金が不足するリスクです。買収直後は売上が一時的に落ち込むことも多く、余裕のない資金計画は命取りです。
対策
買収価格の1.5〜2倍の総資金を準備しましょう。内訳は買収価格、DD費用、仲介手数料、運転資金(3〜6カ月分)です。融資を活用する場合は、返済計画に余裕を持たせましょう。
リスク⑤ 許認可・契約の引き継ぎ問題
どんなリスクか
事業に必要な許認可が経営者変更で失効したり、取引先との契約にチェンジオブコントロール条項があり、M&Aで契約が解除されたりするリスクです。
対策
DDの段階で、許認可の種類と変更手続き、主要契約のチェンジオブコントロール条項を確認します。最終契約書のクロージング条件にも許認可の取得を含めておきましょう。
リスク⑥ 経営能力の不足
どんなリスクか
サラリーマンと経営者では求められるスキルが大きく異なります。経理、人事、営業、法務のすべてを自分で判断する必要があり、その覚悟が足りないと組織をまとめられません。
対策
買収前から経営の勉強を始めましょう。また、税理士、弁護士、中小企業診断士などの専門家をアドバイザーとして確保しておくと安心です。前経営者からの引継ぎ期間を十分に取り、経営のノウハウを吸収しましょう。
リスク⑦ 詐欺的な案件
どんなリスクか
残念ながら、個人M&Aの市場には悪質な案件も存在します。実態のない事業、虚偽の財務情報、反社会的勢力との関係など、注意が必要です。
対策
信頼できるM&Aマッチングサイトを利用しましょう。DDは必ず専門家に依頼し、「急いで決めてほしい」「DDは不要」と言う売り手には注意が必要です。チェックリストで漏れなく確認しましょう。
リスクを減らすための鉄則
7つのリスクに共通する対策をまとめます。
- DDを絶対に省略しない。費用は「保険」です
- 感情で判断しない。数字と事実で冷静に判断しましょう
- 専門家の力を借りる。一人で抱え込まないことが大切です
- 資金に余裕を持つ。総費用は買収価格の1.5〜2倍を準備しましょう
- 契約書で守る。表明保証・補償条項を適切に設定しましょう
まとめ
個人M&Aにはリスクがありますが、事前に知って対策すれば防げるものがほとんどです。DDの徹底、専門家への相談、余裕ある資金計画が成功への鍵です。
リスクを正しく理解したうえで、個人M&Aに挑戦してみてください。
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