廃業と事業承継はどちらを選ぶべき?|費用・手続き・メリットを徹底比較
廃業・事業承継の判断チェックリスト
廃業と事業承継のどちらを選ぶべきか迷っている方は、以下のチェックリストで判断の参考にしてください。
事業承継を検討すべきケース
- 直近3年間の営業利益が黒字である
- 従業員を5名以上雇用している
- 独自の技術・ノウハウ・顧客基盤がある
- 後継者候補(親族・従業員・外部)が見つかる可能性がある
- 業界の将来性がある(成長産業・安定産業)
廃業を検討すべきケース
- 直近3年間の営業利益が赤字で改善の見込みがない
- 経営者の健康状態が著しく悪い
- 業界自体が縮小傾向で将来性が乏しい
- 債務超過で事業承継しても負担が大きすぎる
- 従業員がおらず、経営者個人の技能に完全依存している
廃業と事業承継の費用比較
廃業にも事業承継にも費用がかかります。具体的な費用感を比較してみましょう。
廃業にかかる費用
- 清算手続き費用(司法書士・弁護士):30万〜100万円
- 設備・在庫の処分費用:数十万〜数百万円
- テナントの原状回復費用:50万〜300万円
- 従業員の退職金:人数・勤続年数による
- 借入金の返済・個人保証の処理
廃業は「何も残らない」だけでなく、意外とお金がかかるのが現実です。
事業承継(M&A)にかかる費用
- 仲介手数料:譲渡価格の3〜10%
- DD費用(買い手負担):30万〜200万円
- 弁護士・税理士費用:30万〜100万円
事業承継の場合、費用はかかりますが、譲渡対価が得られるため、トータルでは廃業よりもプラスになるケースがほとんどです。
よくある質問(FAQ)
Q. 赤字の会社でもM&Aで売れますか?
売れる可能性はあります。赤字でも、技術力・顧客基盤・許認可・立地などに価値があれば買い手が見つかるケースがあります。まずはM&Aの専門家や事業承継・引継ぎ支援センターに相談してみましょう。
Q. 廃業の相談はどこにすればいいですか?
よろず支援拠点や商工会議所で無料相談が受けられます。また、事業承継・引継ぎ支援センターでは、廃業以外の選択肢(M&A・従業員承継など)も含めて相談に乗ってもらえます。
後継者不在でも廃業しなくていい?
結局どちらが得なの?廃業と事業承継の違い
廃業にかかる費用はどれくらい?
経営者にとって、「廃業」と「事業承継」は大きな岐路です。後継者が見つからないとき、どちらを選ぶべきでしょうか。
多くの方が「廃業しかない」と考えがちです。しかし、M&Aによる第三者承継という選択肢もあります。
そこでこの記事では、廃業と事業承継の費用・手続き・メリットを比較します。
廃業の現状と課題
後継者不在で廃業する中小企業が増えています。しかし、廃業企業の約6割は黒字経営です。
つまり、業績が悪いからではなく、後継者がいないから廃業しているのです。
黒字企業の廃業は、雇用喪失や取引先への影響など多くの損失をもたらします。そのため、廃業を決断する前に事業承継の可能性を検討しましょう。
廃業にかかる費用と手続き
廃業は「タダ」ではできません。主な費用項目を見てみましょう。
設備・在庫の処分費用
まず、工場設備や機械、在庫の処分には費用がかかります。産業廃棄物の処理は高額で、数百万円に及ぶこともあります。
原状回復費用
次に、テナントを借りている場合、賃貸契約の原状回復義務に基づく費用が発生します。
従業員への退職金・解雇予告手当
従業員を解雇する場合、退職金の支払いが必要です。また、30日前の解雇予告または解雇予告手当の支払いも求められます。
借入金の返済
さらに、金融機関の借入は一括返済が必要です。経営者保証がある場合、個人資産での返済を求められることもあります。
専門家への報酬
税理士や弁護士への解散・清算手続きの依頼費用が数十万〜100万円程度かかります。
合計すると、小規模な事業でも数百万〜1,000万円以上の廃業コストが発生します。
事業承継(M&A)のメリット
廃業と比較した場合、M&Aによる事業承継には多くのメリットがあります。
売却対価を得られる
廃業では資産の処分しかできません。しかし、M&Aでは事業の価値(のれん代)を含めた売却対価を得られます。
つまり、黒字企業なら廃業より手元に残るお金が多くなります。
従業員の雇用を守れる
M&Aでは、買い手が雇用を引き継ぐのが一般的です。長年一緒に働いてきた従業員の生活を守ることができます。
取引先への影響を抑えられる
事業が継続されるため、仕入先や顧客との取引関係も維持されます。
技術やノウハウが残る
長年培った知的資産が次の経営者に引き継がれます。社会的な価値が維持されるのです。
経営者保証の解除が可能
M&Aでは経営者保証を解除できるケースが多いです。経営者の個人リスクを減らせます。
廃業を選ぶべきケース
すべての企業がM&Aできるわけではありません。以下の場合は廃業が現実的です。
- 赤字が続き、事業の将来性がない場合
- 負債が事業価値を上回る(債務超過の)場合
- 経営者個人の技能に100%依存し、引き継げない場合
- 買い手が見つからない場合(ただし支援機関に相談してから判断しましょう)
まず相談してから判断を
「後継者がいない=廃業」ではありません。まずは事業承継の相談先に相談しましょう。そして、M&Aの可能性を探ってみてください。
廃業の手続きを始めると後戻りが難しくなります。そのため、決断前にM&Aの検討を強くおすすめします。
補助金制度を活用すれば、仲介手数料も軽減できます。
まとめ
廃業には想像以上の費用と労力がかかります。一方、M&Aは売却対価を得ながら雇用と事業を守れます。
後継者不在=廃業ではありません。まずは専門家に相談し、事業承継の可能性を探ることから始めましょう。
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